祈りの小箱(138)『仕事が忙しいときには』


『仕事が忙しいときには』
 仕事が忙しくて休む暇もないとき、わたしたちはつい「どうしてわたしばかりこんなに忙しいんだ」「なぜこんなに働かなければならないんだ」と考えてしまいがちです。目先の仕事で頭がいっぱいになって、仕事の本当の目的を忘れてしまうのです。たとえば学校の仕事。机の上に積み上がった書類や、採点しなければならない答案の山を見ると、仕事がいやになってしまうかもしれません。ですが、その仕事が子どもたちのためであり、自分が書く書類や採点する答案の一つひとつが生徒の未来の役に立つということを思い出せば、きっとまたやる気が出てくるでしょう。病院や施設などでも同じことが言えるでしょう。ブラック企業と呼ばれるような一部の会社を除けば、会社での仕事もきっと同じだろうと思います。その先で待っている人たち、自分を必要としてくれている人たちのことを思い出せば、たとえ時間がかかっても一つひとつの仕事を丁寧に仕上げて行こうと思えるのではないでしょうか。
 仕事がたくさんあるということは、つまり苦しみや困難の中で自分の助けを必要としている人、待ってくれている人がいるということなのです。「こんなにもたくさんの人がわたしを必要としてくれている」と思えば、きっとやる気が出てくるに違いありません。誰からも必要されない苦しみに比べれば、必要とされすぎることは、むしろ喜ぶべきことでしょう。わたしたちの仕事を待っていてくれる人たちの喜ぶ顔を思い浮かべながら、自分にできる限りのことを誠実に仕上げてゆきましょう。誰かの役に立ちたいと思って働くとき、誰かへの愛のために働くとき、わたしたちには特別な力が与えられるのです。
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