『小さなことに大きな愛を』
今日、9月5日はマザー・テレサの命日。カトリック教会では、この日をマザー・テレサの祝日に定めています。そこで今回は、マザーの言葉の中でも最も愛されているものの一つ、「大切なのは、どれだけ大きなことをするかではありません。小さなことに、どれだけ大きな愛をこめるかです」を取り上げてみたいと思います。
ここでマザーが言う「大きなこと」「小さなこと」とは、世間の目から見たときの大きさのことです。目立つこと、人から評価され、称賛されること、そのようなことが「大きなこと」、目立たないこと、誰からも評価されず、誉められないこと、そのようなことが「小さなこと」だと考えたらいいでしょう。わたしたちはつい、自分の人生や自分自身の価値を、どれだけ「大きなこと」をしたかによって測ってしまいがちです。「大きなことを成し遂げ、人から評価された。だから、自分の人生には意味がある。自分は価値のある人間だ。」そんな風に考えてしまうのです。逆に、「小さなこと」しかできないと、「小さなことしかできず、誰からも評価されなかった。だから、自分の人生には意味がない。自分は価値のない人間だ」と考えてしまいがちです。
ですが、マザーはそんな風に考える必要はまったくないと言います。本当に大切なのは、人間の目にどう見えるかではなく、神様の目にどう見えるかだからです。そして、神様が見ておられるのは、その人が行いに込めた愛なのです。神様は、目に見える結果ではなく、目に見えない愛を見て評価される方なのです。どんなに大きなことをしたとしても、自分の栄光のためであるなら、その行いは神様を喜ばせることがありません。逆に、どんなに小さなことであっても、自分を犠牲にするほどの愛をもってしたことなら神様は喜ばれます。そのことを、決して忘れてはいけないとマザーは言うのです。
「こんな小さなことにどんな意味があるのか」、そんな風に考えてしまうときには、「小さなことに意味を与えるのは、わたしの愛なのだ」と考え直しましょう。愛をこめてすれば、どんなに「小さなこと」も、神様の目に大きな意味をもつのです。逆に、愛をこめないなら、「小さなこと」は「小さなこと」のままです。「小さなこと」にこそ大きな愛をもって取り組むことができるよう、マザー・テレサの執り成しを願って祈りたいと思います。
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