祈りの小箱(192)『悪魔の呪文』


『悪魔の呪文』
 仕事がうまくいかないとき、疲れ切ってしまったとき、思いがけない失敗をしてしまったときなど、わたしたちはつい「もう駄目だ。どうせわたしなんか」と思ってしまいます。自分の力の限界に直面してくじけ、もうすべてが駄目だと思い込んでしまうのです。そして、そう思い込んだ瞬間から、どんなに力がある人でも本当に駄目になってしまうのです。
 どんな人の口からも、ふと出てくる「もう駄目だ」という言葉は、悪魔が人間の心に忍び込ませた滅びの呪文なのではないかとさえ思えます。「もう駄目だ」と考える人は、もうそこから努力することを止めてしまいます。「自分は駄目な人間だ」という思い込みの中で自暴自棄になり、世間を怨み、どんどん堕落していくのです。これは、まさに悪魔の思うつぼだと言っていいでしょう。「もう駄目だ」と考えるとき、わたしたちは悪魔の罠にはまっているのです。
 「もう駄目だ」という言葉の背後にあるのは、ほとんどの場合、高すぎるプライドです。自分に大きな期待をし、すべてが自分の思った通りになるはずと思い込んでいる人は、ちょっとでも自分の思い通りにいかなくなると簡単にあきらめ、あらゆる努力を放棄してしまうのです。自分にまったく期待せず、すべてが神様の御旨のままになるようにと思っている人には、そんなことが決してありません。初めからうまくいかなくても当たり前、神様の御旨なら「必ず何とかなる」と信じて最後まで全力を尽くすことができるのです。「もう駄目だ」という思いが湧き上がって来るたびごとに、「これは悪魔の誘惑。神様、どうぞ助けて下さい」と祈るようにしたいと思います。
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