フォト・エッセイ(69) 六甲教会のクリスマス・ミサ

《お知らせ》12月25日から28日まで、イエズス会の管区集会と若手司祭の集いに参加するため東京に来ています。

 24日は、午後4時半からの「子どもとともに捧げるミサ」を担当した。朝からのどが痛かったので歌えるかどうか心配だったが、なんとか声を出すことはできた。たくさんの子どもたちが熱心にミサを聴いてくれていたことにも助けられたと思う。子どもミサのあと、夜9時のミサで青年会が会場係りやミサ後のお茶出しなどを担当していたので、わたしも最後まで残って11時過ぎまで後片付けなどをした。
 「やれやれ、ようやく全部終わった」と思ってベッドに横になった辺りから、喉の痛みがひどくなってきた。数日分の疲れが一気に出てきたかのように、体全体が重くなって足の関節なども痛み始めた。お腹もごろごろと鳴っている。まぎれもない風邪の諸症状だ。疲れているからすぐに寝られるかと思いきや、結局一晩中のどや体の痛みでよく眠れなかった。
 そんなわけで、25日は午前中ずっと寝ていた。だが晩までには東京に来なければならなかったので、午後になってなんとかベッドを起きだし、タクシーで新神戸駅まで行って新幹線に乗った。今は、東京でイエズス会の管区集会や若手司祭の集いに参加している。
 新幹線の中で、この1週間あまりの出来事を一つひとつ振り返っていた。市民クリスマス、葬儀ミサ、教会学校のクリスマス会、釜ヶ崎でのコンサート、青年会のクリスマス会など本当にたくさんのことが次々にあったので、その場ではゆっくり一つひとつを振り返る時間もなかった。考えてみれば、このクリスマスはわたしが司祭として迎える最初のクリスマスでもあった。
 振り返っているうちに、これは間違いなくわたしのこれまでの人生の中で一番幸せなクリスマスだったなと感じた。いくつかのいやなことや苦しいこともあったが、それにしてもクリスマスの喜びをミサを通して全身で表現し、人々と分かち合うことができた喜びの大きさに比べればなんでもない。市民クリスマスに参加した人たち、クリスマス・ミサに出ていた信者さんたち、クリスマス会に参加した若者たち、彼らのうれしそうな顔を思い浮かべていると、心地よい安らぎが心の底からじんわり湧き上がってきた。風邪薬のせいもあったのかもしれないが、そのまま幸せな気分で眠ってしまい、気がついたら東京駅だった。




※写真の解説…1枚目、ミサの前に教会の庭でキャロリングをする信者さんたち。2枚目、午後9時のミサの様子。青年たちが会場係を担当した。3枚目、聖堂の後ろに置かれた馬小屋の飾り。