フォト・エッセイ(85) 北野天満宮の梅

《お知らせ》2月14日(土)午後5時より、カトリック六甲教会主聖堂にて先日チャドで帰天された援助会修道女、二條あかねさんの追悼ミサを行います。共に彼女のために祈りたい方は、どなたでも自由にご参加ください。

 北野天満宮の梅を見てきた。朝、JRの駅に着くまでどこに行くか決めていなかったのだが、駅でたまたま北野天満宮のポスターが目にとまった。梅もそろそろ咲き始めたころだろうし、なかなかいい目的地だと思ったので、そのまま京都方面に向かう電車に乗ることにした。
 空からは太陽の光がぽかぽかと降り注ぎ、風もなく、これ以上の観梅日和はないと思われるほど穏やかな陽気だった。天満宮に着くと、もう入口から梅の花が咲いていた。はやる思いを静めながら境内に向かって歩いていくと、次々に梅の花が目に飛び込んできた。まだ満開というには早いが、開花直前の膨らみきった梅のつぼみと開花したばかりの梅の花が混じり合い、境内を白や桃色に飾っていた。
 境内の梅を一回り見た後、隣接している梅園に入った。梅園の方が開花はやや遅いようだ。だが、木によっては満開になっているものもあり、それなりに楽しむことができた。写真を撮っていると、ときどきむせるほどの梅の香りに包まれた。花をついばみにやってきたメジロたちも梅園を賑わせていた。
 ここのところとても悲しい出来事やいやな出来事が続き、心まで冬の寒さに覆われたようだった。だが、梅の花を見ているうちにだんだん心が底の方から温まってくるのが感じられた。もうじき、世界中があふれるほどの生命で満たされる春がやってくる。そろそろ心も模様替えしなければ。







※写真の解説…北野天満宮の境内と梅園に咲いた梅。