フォト・エッセイ(124) 夜のメリケンパーク


 今、神戸港航海訓練所練習船日本丸海王丸が入港している。先日、「夜間ライトアップされているようだから見に行きましょう」という信者さんに誘われて見に行ってきた。
 夜のメリケンパークは、昼間とまったく違った姿を見せてくれる。マリンタワーカワサキミュージアム、オリエンタル・ホテルなどがライトアップされて、青や赤、黄色など色とりどりの輝きを放っているからだ。それらの光が波でゆらめく海面に色とりどりに反射し、海を美しく輝かせている。今は、2隻の船のライトアップがそれに加わり、その輝きをひときわきらびやかにしている。
 帆船を見ているうちに、観光船ルミナスがディナー・クルーズを終えて港に戻ってきた。現代の船ではあるが、全体がイルミネーションで飾られたその姿は夜の海面を飾る宝石のように見えた。
 幻想的にきらめく海と、闇の中にそびえる巨大な建物群を眺めながら、しばらく時の流れを忘れた。自分が神戸にいるのを忘れてしまい、まるでどこか別の国に行ったような気がした。港の光は、わたしたちの心を異世界へと誘うようだ。その光の向こう側から、「神の国」の輝きがわたしたちを誘っているのかもしれない。







※写真の解説…1枚目、ライトアップされた帆船、日本丸海王丸。2枚目、観光船ルミナスとオリエンタルホテル。3枚目、夜のメリケンパーク。4枚目、NTTビルなどの光。