やぎぃの日記(54)芦屋の花火大会


 もう1週間前のことになるが、芦屋の花火大会に行ってきた。花火大会のことを聞いたのは当日の午後だったが、聞いた瞬間に「これは行くべきだろう」と思った。日本の夏はやはり花火だし、どれだけ口で「夏だ」と言ってみたところで実際に花火を見るまでは夏が来たという実感がわかない。幸い、夕方までには仕事も終わっている。
 芦屋駅に着くと、たくさんの人々が会場のある浜辺に向かって歩いていた。中には、浴衣姿の人たちの姿もちらほら混じっている。会場に近付いて焼きソバや綿アメの屋台が見え始めたとき、「ああ、今年も夏が来たんだなぁ」としみじみ感じた。浜辺でかき氷を食べながら花火が打ちあがるのを待っている間も、夏の気分はどんどん盛り上がっていった。
 いよいよカウントダウンが終わり、花火の打ち上げが始まったとき、わたしの中に完全な夏が到来した。一瞬燃え上っては消えていく花火の中には、夏の情熱とはかなさが凝縮されている。見ているうちに、うれしさと寂しさが心の中に同時に湧き上がってきて複雑な気分になった。
 神戸に来て、もう1年半になる。来年の夏は、一体どこで花火を見ることになるのだろうか。







※写真の解説…芦屋サマーカーニバルにて。