フォト・レポート(44)マリコン村Ⅱ


水をたっぷりと貯えた棚田です。遠くには、コルディリエラの山々がどこまでも続いているのが見えます。
あぜ道で、水牛と出会いました。深い田んぼの中でも力強く歩くことができる水牛は、フィリピンでは農作業に欠かせない生き物です。「生きているトラクター」というところでしょうか。

小一時間ほど歩いているうちに、だんだんマリコン村に近づいてきました。曲がりくねった谷沿いに作られた棚田が印象的でした。

村に近づいたわたしたちを、鶏が歓迎してくれました。まるで、わたしたちを先導してくれているようでした。
有名な棚田の観光地のはずですが、村の中にはお土産屋さんはもちろん、地元の人たちのための商店さえありませんでした。お百姓さんたちの、素朴な生活の様子をあちこちで垣間見ることができました。

脱穀した米の中から、まだ殻がついている米を選り分けている女性と出会いました。「ずいぶん時間がかかる仕事ですね」と声をかけると、「いや、時間だけはいくらでもあるからね」との答えが返ってきました。

村の子どもたちです。写真に慣れていないようで、なんだか緊張した表情をしています。