やぎぃの日記(117)東北被災地はいま3〜石巻・女川


東北被災地はいま3〜石巻・女川
 東北に入って2日目、レンタカーを借りて仙台から石巻に向かった。石巻ペースを訪ねてスタッフから活動の現状を聞き、さらに、復興が進んでいないという牡鹿半島の被災地まで行ってそこに住む信者さんの話を聞くことが目的だった。
 石巻ベースは現在、ボランティアの募集を停止している。ボランティアの全体数が減ったことが理由だが、この間に建物をより使いやすくする改築も進んでいる。廃業した3階建ての焼肉レストランを買い取ったものなので、焼肉用のガスの配管が邪魔だったり、使いにくいところが多かったらしい。そんな中、ベース長のSr.山本を始め常駐スタッフの3-4人が、これからこの建物をコミュニティー・センターとして活用していくための下準備に追われていた。仮設住宅や待機所などを周って、被災者の方々とのつながりを作ることが主な仕事だという。1つの地域としては一番多い4000人以上が津波の犠牲になった石巻には、これからまだまだやることがたくさんあるようだ。
 石巻の被災地を車で抜け、女川に向かった。Sr.山本が案内してくれた女川町立病院の駐車場から街を眺めたとき、わたしは言葉を失ったた。目の前の海が盛り上がり、4階建てビルを越えるほどの高さの津波となって押し寄せてくる様子を想像すると、気分が悪くなるほどの恐ろしさを感じた。怪物のように襲いかかる波と濁流に呑み込まれ、この街で900人以上が犠牲になったという。町立病院はかなりの高台にあるが、それでも1階部分は波で完全に破壊された。駐車場にあった車は波に押し出されて下に落ち、3階建てのビルの上に載ったという。駐車場上の隅から犠牲者にたちにたむけられた花束と飲み物のそばで、わたしもしばらく目を閉じて祈った。
※写真の解説…女川町立病院の駐車場の片隅に置かれた花束と飲み物。