バイブル・エッセイ(233)キリストの光に包まれた地球


キリストの光に包まれた地球
 闇の中を歩む民は、大いなる光を見死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。あなたは深い喜びと大きな楽しみをお与えになり人々は御前に喜び祝った。刈り入れの時を祝うように戦利品を分け合って楽しむように。彼らの負う軛、肩を打つ杖、虐げる者の鞭をあなたはミディアンの日のように折ってくださった。地を踏み鳴らした兵士の靴血にまみれた軍服はことごとく火に投げ込まれ、焼き尽くされた。ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神永遠の父、平和の君」と唱えられる。ダビデの王座とその王国に権威は増し平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。万軍の主の熱意がこれを成し遂げる。(イザヤ9:1-6)
★このエッセイは、教会学校の子どもたちを中心にした、子どもミサでの説教に基づいています。
 クリスマス、おめでとうございます。待ちに待った、本当にうれしい夜がやってきました。教会学校の子どもたちは、もう待ちきれず、昼過ぎからJR六甲道の駅前に立ってキャロリングをしていました。歌っていた皆さんは気づかなかったかもしれませんが、皆さんの元気なかわいらしい声を聞いて、たくさんの方々が足を止め、しばらく歌声に耳を傾けてはほほ笑みながら立ち去って行かれるのをわたしは見ました。どうして、皆さんの歌声にそんな力があるのでしょう。
 それは皆さんだけの力ではないと思います。イエス・キリストの光が皆さんを通して輝き、人々の心を照らしたのです。2000年前にイエス・キリストが灯してくださった光は、今もわたしたちの命の中に輝き続けています。その光が、皆さんが歌いながら感じていた喜びや感動、神様への感謝、そういったきらきらした気持ちに反射して輝いたからこそ、皆さんはいつもの何倍も光って見えたのだと思います。
 イエス様の光は、そのようにして広がっていきます。わたしたちの心が傲慢や怒り、いらだちなどのどんより曇った気持ちで覆われているなら、イエス様の光がわたしたちを通して輝くことは決してありません。わたしたちの心が喜びや感謝、謙遜といったようなきらきらした思いで一杯になるとき、イエス様の光がわたしたちを通して全世界を照らし始めます。
 宇宙船から撮った、夜の地球の写真を見たことがあるでしょうか。真っ黒い地球のところどころが、大都市や油田、漁船団などの光によって輝いています。神様の目から地球を見たとき、今晩の地球はイエス様の誕生を祝う20億ものキリスト教徒たちの喜びと感謝の光で輝いていることでしょう。わたしたちの喜びと感謝が周りの人々に伝わっていくにつれて、その光はどんどん大きくなっていきます。神様の目から見たとき、今晩の地球はいつもの何倍も光り輝いていることでしょう。その光の一つひとつがわたしたちなのです。
 今晩だけに限らず、明日からも、いつまでもこのイエス様の光を輝かし続けていきましょう。2000年前にイエス様が灯してくださった光が、皆さんを通して全世界を包み込んでいきますように。
※写真の解説…カトリック六甲教会の入り口に置かれたプレゼピオ。