フォト・ライブラリー(275)長良川鵜飼いの夜

長良川鵜飼いの夜

岐阜に行く機会があったので、有名な鵜飼を見物してきました。場所は、織田信長が天下統一の足場とした金華山(岐阜城)の山すそを流れる長良川。上流から下ってきた鵜飼船の松明が水面を照らし始めると、いよいよ鵜飼の開始です。

わたしたちは観光船から鵜飼を眺めます。他の舟と連絡しながら鵜飼を一番よく見られる場所へと舟を運ぶため、船頭さんたちも真剣な表情です。

いよいよ鵜飼が始まりました。鵜匠と呼ばれる漁師さんの手に握られたロープの束の先には、10数匹の海鵜が結ばれています。北海道から運ばれ、訓練を受けた野生の海鵜だそうです。

水面に顔を出した鵜たち。「鵜の目、鷹の目」で探した魚を「鵜呑み」にして、のど袋にためておく鵜の習性をうまく利用した漁です。

鷹匠さんが漁火に赤松の薪をくべると、火の粉が水面に飛び散ります。眠っているアユたちを驚かせ、鵜たちの前に誘い出すための大切な火です。ちなみに長良川の鵜匠さんたちは宮内庁式部職という称号をお持ちで、宮内庁から出るお給料と漁で生活しているとのことでした。

街の照明や信号の光も川面に映って、幻想的な景色を作り出しています。時間の流れを忘れてしまいそうです。

鵜飼が終わると、大活躍した鵜たちが船端に並べられ、ご褒美の魚をもらいます。人と自然の調和のシンボルのような長良川の鵜飼、いつまでも続いてほしいものです。