フォト・ライブラリー(339)越年・越冬炊き出しin東遊園地2012-13

越年・越冬炊き出しin東遊園地2012-13

つい10日ほど前までルミナリエの会場としてにぎわっていた東遊園地で、12月28日から越年・越冬炊き出しが始まりました。ホームレスや元ホームレスでアパート暮らしをしている方々の年越しを支援するため、プロテスタントカトリック、YMCA、YWCA、そして神戸市役所の有志の方々などが協力して毎年行っているものです。

ルミナリエの間は、東北と神戸の子どもたちの絵を入れたランタンが取り囲んでいた噴水池の周りに、こんな看板が置かれました。ここはホームレスの皆さんの越年・越冬の心の拠り所、「神戸冬の家」なのです。

1月5日までの期間中、毎日、昼食のサービスが行われました。日向ぼっこをしながら、皆さんおいしそうに召し上がっていました。一つの常設テントでは、弁護士連合会の弁護士さん、そして司法書士連合会の司法書士さんたちが仕事や福祉などの相談に乗っていました。もちろん皆さんボランティアです。

この日のメニューはお雑煮。わたしも皆さんと一緒に食べましたが、おもちがたっぷり入ってとてもおいしかったです。

29日の昼食サービスの前に、この年に亡くなったホームレスの皆さんのための追悼式典が行われました。ベニヤの板に亡くなった方々の名前と年齢、死因を書いたカードを貼り付けたものを並べ、その前に花や餅を供えて祈る心づくしの式典です。キリスト教式の祈りと、お坊さんによる読経の両方が行われました。

このテントは「歌声テント」。のど自慢のおじさんたちが、ギターやサックスなどの伴奏に合わせて歌声を響かせていました。ちょっと調子のはずれた懐メロの響きが心を温めてくれます。

沖縄出身のミュージシャンのご夫婦が、歌に合わせて踊ったり拍子をとったりして盛り上げてくれます。

1月1日には、餅つき大会も行われました。ペッタン、ペッタンという杵の音と威勢のよい掛け声、そしてみんなの笑顔が、公園に正月の幸せを運んでくれました。

搗きあがった餅はすぐに丸められ、おじさんたちに配られました。

きな粉、海苔、大根おろしの三色餅の出来上がり。搗きたてのお餅は本当においしかったです。何もなくても、人と人との心さえつながっていれば温かくて幸せな正月を迎えることができる。そのことを教えてくれた越年・越冬炊き出しでした。