祈りの小箱(37)福者コルカタのマザー・テレサ「ありのままで愛されるために」


福者コルカタマザー・テレサ「ありのままで愛されるために」
 今回ご紹介するのは、マザー・テレサの霊的遺言状と呼ばれる「ベナレスからの手紙」(1993年3月25日付)の一節で、シスターたちを思うマザーの心が最もよく表れている部分です。この手紙の中でマザーが心配していたのは、まず第一に、シスターたちとイエス・キリストとのあいだに本当に親密な交わりが結ばれているかということでした。頭で考えるのではなく、実際に生きているイエスと出会ってその声を聞くようにと、マザーはシスターたちに勧めました。なぜなら、イエスは、わたしたち人間の愛に「渇いて」いるからです。
 次にマザーが心配したのは、悪魔の誘惑によって、イエスとの親しい交わりをあきらめてしまうシスターがいるのではないかということでした。悪魔の誘惑とは、「こんな私がイエスから愛されるはずがない」、「わたしはイエスの愛に値しない」と思い込ませて、自らイエスの愛に背を向けさせるよう仕向ける罠のことです。悪魔は、プライドや傲慢に付け込んでわたしたちを自分自身に失望させ、「もうだめだ、終わりだ」と思い込ませてしまうのです。
 マザーは、シスターたちが悪魔の誘惑に負けないように、心の底からの言葉を尽くしてシスターたちに語りかけます。それが、このカードに引用した一節なのです。悪魔の誘惑は、シスターたちだけでなく、わたしたちも同じようにやってきます。この言葉をしっかりと胸に刻み、どんなときでも失望することなく、ありのままの自分をイエスに差し出していきたい思います。「ありのままでイエスから愛されるためには、ただ心を開くだけでいいのです。」
※写真…早朝のカルカッタ。2009年8月撮影。
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