祈りの小箱(38)福者コルカタのマザー・テレサ「本当に生きているキリスト」


福者コルカタマザー・テレサ「本当に生きているキリスト」
 今回も、マザー・テレサの霊的遺言状と呼ばれる「ベナレスからの手紙」(1993年3月25日付)の一節をご紹介したいと思います。
 エスは、御自身の愛がどれほど深いかを、自分の口を通してシスターやブラザーたちに伝えたがっている。マザーはそう感じてこの手紙を書き始めたようです。「あなたたちの想像を超える」という、本当のイエスの愛を、マザーはシスターやブラザーたちに伝えたかったのです。ですが、その方法は、ただ一つしかありません。祈りの中で、「生きいているキリスト」と出会うことです。どれほど本を読んで考え、想像力を働かせて思い巡らしても絶対に知りえない神の愛を知るための唯一の方法は、神の愛そのものであるイエス・キリスト御自身に出会うことなのです。そこでマザーは、何よりもまず「本当に生きているキリスト」と出会うようシスターやブラザーたちに勧めます。
 出会うとはどういうことでしょう。それは、魂の目を開いて、実際にいまわたしたちのすぐそばにいるイエスの姿を見るということ。魂の耳を開いて、実際にいまわたしたちに優しく語りかけているイエスの声を聞くということに他なりません。肉体を持って生きている誰かと出会うのとまったく同じように、あるいはもっと親密に、わたしたちは「生きているキリスト」と出会うことができるのです。それは、ある意味で当然のことかもしれません。イエスは、わたしたちが頭で想像したり、本に書かれたりしているだけの人物ではないからです。復活して、今も生きておられる方だからです。
 わたしたちは、「本当に生きているキリスト」と出会ったことがあるだろうか、イエスの本当の愛に触れたことがあるだろうか。マザーの言葉を味わいながら、自分自身に問いかけてみたいと思います。
※写真…カルカッタのシンボル、ハウラー橋とフーグリー川(ガンジス川下流部の名称)。
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