祈りの小箱(41)福者コルカタのマザー・テレサ『イエスを愛する喜び』


福者コルカタマザー・テレサ『イエスを愛する喜び』
 今日ご紹介する言葉は、色紙やサイン帳にメッセージを頼まれたとき、マザー・テレサが必ず書いていた言葉です。マザーが好きだった言葉の一つと言って間違いないでしょう。とても単純ですが、マザーからあふれ出していた喜びの源がどこにあったのかを、わたしたちにはっきりと教えてくれます。
 「イエスを愛する」ことから生まれる喜び、それはどのようなものでしょう。義務として、一方的にイエスを愛するのなら、そこに喜びはないでしょう。ですが、言うまでもなく、イエスはどんなときでもわたしたちを無条件に愛して下さっています。もしわたしたちがその愛に気づいてイエスを愛するなら、イエスとわたしたちの間には確かな双方向の愛が結ばれるのです。イエスと確かな愛の絆で結ばれるとき、心の底から大きな喜びがとめどなくあふれ出してきます。それが、「イエスを愛する喜び」です。「イエスを愛する喜び」とは、イエスと愛し合う喜び、イエスと確かな愛の絆で結ばれる喜びなのです。
 その喜びは、わたしたちの心を満たすと、今度はわたしたちの周りにいる人たちの心に向かってあふれ出していきます。それが、「イエスを愛する喜び」を、「出会うすべての人と分かち合う」ということです。分かち合おうと意識しなくても、喜びはわたしたちの心から自然にあふれ出し、周りにいる人たちの心に注がれていくのです。そのことを、「喜びは伝染します」とマザーは表現していました。
 マザーと出会った人は、マザーの笑顔からあふれ出す喜びに「伝染」して、いてもたってもいられないくらい嬉しい気持ちになりました。それは、マザーがいつも「イエスを愛する喜び」で満たされていたことのしるしです。マザーの喜びに触れた人は、いったいその喜びがどこからくるのだろうと考え始め、やがてイエスと出会うことになりました。マザーは、そのようにして無言で福音を宣教したのです。福音宣教の出発点として、まずイエスと愛し合う喜びで心を満たされる恵みを願いたいと思います。
※写真…朝のカルカッタの街。2009年撮影。
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