祈りの小箱(52)フランシスコ教皇『人々と出会う』


フランシスコ教皇『人々と出会う』
 ワールド・ユース・デー参加のためにブラジルを訪問した際に、フランシスコ教皇はその地の司教、司祭、修道者、神学生と共にミサを捧げました。今日ご紹介する言葉は、そのミサの説教で教皇様が語ったものです。
 第二バチカン公会議以降、世界中のカトリック教会で「社会に対して開かれた教会」という言葉が使われるようになりました。社会に存在する多様な価値観に対して扉を開き、様々な考えを持った人と協力しながらよりよい世界を作り上げてゆこう。自分たちだけの救いを願う「仲よしグループ」ではなく、全人類の救いのためのしるしになっていこう。そのような思いが込められた言葉です。
 しかし、教皇様は「開かれた」という言葉が、単にドアを開いて人々が来るのを待っているという意味で使われるならば不十分だと指摘します。ドアを開いたならば「そのドアから出かけ、人々を探し、人々と出会わなければならない」というのです。こんなにもたくさんの人々が人生に苦しみ、迷い、救いを求めているときに、教会の中に閉じこもっていてはならないというのです。
 「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16:15)と言われたイエスの言葉を思い起こせば、これは当然のことでしょう。イエスは、大きな聖堂を作ってそこに人を集めなさいとは言いませんでした。出かけて行って苦しんでいる人々と出会い、神の国の福音を宣べ伝えなさいと言ったのです。教皇様が改めてこのような当然のことを強く言わなければならなかったという事実を、深く受け止めたいと思います。聖霊がわたしたちの心を燃え上がらせ、ただちに出かけてゆく力を与えて下さるよう祈りましょう。
※写真…フィリピン、マニラにて。かつてスモーキー・マウンテンと呼ばれていた巨大なスラム街の一角。
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