フォト・ライブラリー(404)大台ケ原の紅葉2013

大台ケ原の紅葉2013

 秋晴れの木曜日に、日本百名山の一つ、奈良県の大台ケ原を訪ねました。大台ケ原は、名前の通り、東西5キロ四方の大きな台地。四方を囲んだ崖によって外の世界から遮断され、手つかずの大自然が残されています。近鉄の電車で最寄駅まで行き、そこからバスで1時間40分で、台地の端に設けられたビジターセンター前(1571m)に到着します。この写真はバスからの眺め。運転手さんが一番景色のいいところでスピードを緩めてくれました。

 こちらもバスの車窓からの風景。これだけ幾重にも山際が連なっている景色は、生まれて初めて見ました。ブルーのグラデーションが神秘的です。

ビジターセンターの前から、最高峰の日出ヶ岳(1694m)を目指します。山頂部の樹木は、1959年の伊勢湾台風によって壊滅的な打撃を受けたとのことでした。森というよりは、荒れ地という印象です。

六甲山と同じで、大台ケ原山にはいくつものピークがあります。日当たりのいい山道を1時間ほど歩くと、最高峰の日出ヶ岳に到着します。最高点には、展望台が設けられていました。

展望台からの眺め。この辺りからは紅葉がほとんど見えませんでしたが、なかなかの景色でした。

日出ヶ岳を下って、正木峠に向かいます。峠道から振り返ってみた日出ヶ岳です。山の上に、きれいなうろこ雲が出ていました。

山頂部分の木々の葉は、ほとんど落ちていましたが、このゴヨウツツジだけはきれいに紅葉していました。

風雪に耐えた深みのある赤が、真っ青な空によく映えています。

伊勢湾台風にによってなぎ倒され、立ち枯れた木々で覆いつくされた正木ヶ原。台風の前は、うっそうとした原生林だったそうです。

しばらく歩くと、台地の端に到着します。大台ケ原を守るかのようにそびえ立つ、断崖絶壁。標高差数百メートルという日本でも屈指の岩壁です。

大台ケ原で最も有名な絶景ポイント、大蛇粠(1576m)の大岩壁に到着しました。絶景を見るためにはこの岩の上を歩いて端まで行かなければなりませんが、かなり傾斜がある上に、岩の両側は目もくらむような断崖。覚悟を決めて歩き始めます。

岩の先端部から見た景色。中央の隆起した部分は、ポスターなどでもよく使われる大台ケ原のシンボルです。向かいには、大峰山系の山々が見えています。

岩塊のあちこちが紅葉で彩られ、まるでよく手入れされた盆栽のように見えました。

右手に広がる雄大な景色。山肌の紅葉が、まさに見ごろを迎えていました。

上の景色の中央部をクローズアップすると、岩壁から滝が流れ落ちているのが分かります。2箇所見えていますが、見つけられるでしょうか。

岩壁にしがみつくようにして生えた木々が、色とりどりに紅葉していました。真ん中あたりの真っ赤な木が、ひときわ目を引きました。

岩場を離れて、大台ケ原の周回ハイキングコースに戻ります。しばらくは下り道です。道のあちこちで、紅葉した木々を見かけました。山頂部から少し下がったところの方が、紅葉はきれいなようです。

真っ赤にそまったモミジ。先日の台風のせいか葉はだいぶ傷んでいましたが、かえって野趣があっていいかもしれません。

大台ケ原は、海からわずか20㎞の距離で1500mの標高を駆け上る地形のため、海からの湿った風が当たって大量の雨を降らせます。日本でも一番雨が多い地域の一つと言われていますが、この日は本当にお天気に恵まれました。真っ青な空に、モミジがよく映えています。

まるで燃え上がるようなゴヨウツツジの紅葉。大台ケ原はゴヨウツツジの群生地としても知られています。5月頃、また来てみたいと思いました。

標高1500mを越える高山地帯でのハイキング、まさに大自然を満喫したひと時でした。日常生活のストレスも歩き終わった頃にはどこかに行ってしまい、かえって心の底から力がみなぎってくるのを感じました。大自然を通して私たちの心と体を癒して下さる神様の恵みに感謝。