祈りの小箱(126)『愛は死なない』


『愛は死なない』
 本当に苦しいとき、「もう立ち上がることができない」「明日など来ないで欲しい」とさえ思うようなそんなときが、きっと誰にもあるでしょう。そんなときにふっと、むかし誰かから深く愛された体験が蘇ってくることがあります。子どものころにおばあちゃんから無条件に愛された体験、学校の先生から優しくしてもらった体験、家族から大切にされた体験などが懐かしく蘇ってきて、わたしたちを励ましてくれるのです。
 そのような体験は、普段ほとんど思い出すことがないかもしれません。まるでどこかに消えてしまったかのようにさえ思えますが、決して消えてはいないのです。誰かから深く愛された体験は、わたしたちの心の奥底に生きていて、本当に苦しいときには必ずわたしたちを助けてくれるのです。愛は決して死なない。愛はいつまでも生き続ける。そのように言ってもいいかもしれません。
 イエス・キリストの復活にも、そのようなところがあったのかなと思うことがあります。弟子たちを愛しぬき、弟子たちのために十字架にさえつけられて死んでいったイエスの愛は、弟子たちの心に深く深く刻み込まれたに違いないからです。イエスの愛は、弟子たちの心に生き続け、弟子たちを支え続けたに違いないのです。イエスの愛は、いまも生き続けています。イエスの愛は、弟子たちが書き残した聖書を通してイエスと出会ったわたしたちの中にも確かに生き続けているからです。愛は決して死なない。愛はいつまでも生き続ける。そのことを、わたしたち自身の生き方によって力強く証してゆきたいと思います。
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