祈りの小箱(137)『嘆きの声を上げる前に』


『嘆きの声を上げる前に』
 「誰も私を大切にしてくれない。」「誰も私の話を聞いてくれない。」仕事に追われて体が疲れきってているとき、1人で大きな試練に直面しているときなど、わたしたちはついそんな風に考えてしまいがちです。追いつめられているとき、わたしたちはつい「自分だけが苦しいんだ。他の人は、もっとわたしに関心を持つべきだ」と考えてしまうのです。
 ですが、よく考えてみましょう。苦しいのはわたしたちだけではないし、大切にしてほしいと思っているのも、話を聞いてほしいと思っているのもわたしたちだけではないのです。わたしたちに苦しみがあるように、相手には相手の苦しみがある。わたしが大切にしてほしいと思っているように、相手も大切にしてほしいと思っている。わたしが話を聞いてほしいと思っているように、相手も話を聞いてほしいと思っている。その当然のことを忘れないようにしたいと思います。
 自分を大切にしてほしい、自分の話を聞いてほしいと思っているわたしたちは、自分に関心を持ち、大切にしてくれる人、自分の話を聞いてくれるを大切にするものです。もし誰もわたしたちを大切にしてくれなかったり、話を聞いてくれなかったりするなら、それはもしかするとわたしたちが一方的に求めているからかもしれません。周りの人に大切にしてほしいなら、まず自分が周りの人を大切にする。人に話を聞いてほしいなら、まず自分が人の話をよく聞く。そうすれば、必ず相手の態度は変わってくるはずです。相手を無理やり変えることはできませんが、自分を変えることはできます。そして、自分が変われば相手も変わります。まず、わたしたちから始めましょう。
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