『周りの人も疲れている』
「あなたは暇そうでいいわね」「もっと手伝ってよ」などという同僚や家族の言葉は、普段なら笑って聞き流すことができますが、仕事でくたくたに疲れ果きっているときに言われるとカチンと来ます。「わたしがこんなに働いているのがわからないのか」と思い、腹が立って仕方がなくなるのです。怒りのあまり、相手に向かって厳しいことを言ったり、喧嘩になってしまったりることもあるでしょう。
そんなときわたしたちは、「わたしは疲れている」ということで心がいっぱいになってしまっています。「わたしは疲れているのに、なぜあなたはわかってくれないんだ」という思い、それが激しい怒りの正体なのです。ですが、本当にそうでしょうか。疲れているのは、本当にわたしだけなのでしょうか。自分の疲れをわかってくれない相手に厳しい言葉を投げかけるのは、やむをえないことなのでしょうか。「もしかすると、相手も疲れているのかもしれない」、怒り出す前にその可能性を考えてみることが大切だと思います。
「あなたは暇そうでいいわね」「もっと手伝ってよ」などという相手の言葉の背後には、「わたしは疲れているのに、あなたはいいわね」という思いが隠れている可能性があります。相手も、自分が疲れていることをわかってほしいのです。腹を立てる前に、「相手も疲れているのかもしれない」と想像できれば、出てくる言葉はきっと変わってくるでしょう。「わたしも疲れているけど、こんなことを言う相手もかなり疲れているのだろう」、そう思えば怒りは収まり、自然にいたわりの言葉が出てくるはずです。不要な争いを避け、互いへの愛を守るため、疲れ切っているときにこそ相手をいたわる心を忘れないようにしたいと思います。
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