祈りの小箱(159)『形の残らないプレゼント』


『形の残らないプレゼント』
 家庭の主婦が毎日、一生懸命にしている仕事は、どれも形の残らないものばかりです。家を掃除しても、子どもたちが帰ってくればすぐに散らかってしまうし、服をきれいに洗っても、すぐにまた汚れてしまう。何時間もかけて料理を作っても、十分足らずで跡形もなく消えてしまう。「社会に出て活躍している友人たちと比べて、自分は何をしているんだろうと思う」とこぼすお母さんの声も聞いたことがあります。
 確かに、お母さんたちの仕事は形の残らないものばかりです。ですが、まったく何も残らない、無意味なものでは決してありません。もしお母さんたちが掃除や洗濯、料理に家族を思う愛をたっぷりこめるならば、その愛だけは家族の心にしっかりと刻み込まれ、いつまでも残り続けるのです。「子どもの頃、ほんとうに丁寧に育ててもらった」「あの頃は、部屋のすみずみにまでお母さんの愛があふれていた」、そんな思い出は、子どもたちの心を一生温め続けるに違いありません。それは、形が残っても愛の残らないプレゼントより、ずっとすばらしいプレゼントです。
 「大きなことをする必要はありません。小さなことに、大きな愛を込めましょう」とマザー・テレサが言ったのも、きっとこの意味だろうと思います。どんなに立派なプレゼントをあげても、そこに愛がこめられていなら、子どもたちの心には何も残りません。逆に、どんなに小さなプレゼントでも、そこに愛がたっぷりこめられていれば、その愛は子どもたちの心にしっかりと刻み込まれて、一生の宝になるのです。家族のために、形の残らないプレゼント、愛のプレゼントを毎日贈っている。そう思えば、家事がもっと楽しくなることでしょう。
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