祈りの小箱(185)『苦しみのときこそ成長のとき』


『苦しみのときこそ成長のとき』
 「順風満帆なときに成長はない。人間は、苦しみの中でこそ成長する。」これは、わたしたちが体験的に感じている事実だと思います。では、苦しみの中でどんな成長が生まれるのでしょう。わたしは3つあると思います。まず、苦しみの中で、わたしたちは自分の弱さに直面します。これまで気づいていなかった、自分の弱点を知ることができるのです。これは、大きな成長の機会だと思います。なぜなら、自分の弱点を知らない限り、それを克服することもできないからです。次にわたしたちは、苦しみの中で自分が思っていたほど強くないということ、弱いということを知って、謙遜になります。苦しみの中で、自分は他人を見下せるほど強い人間ではないと悟ることこそ謙遜の第一歩なのです。そしてさらに、苦しみの中で、わたしたちは同じ苦しみを味わっている人に深く共感できるようになります。これまで気づかなかった人の痛みに気づき、人を思いやることができるようになるのです。弱点の克服、謙遜、思いやり。苦しみの中には、人間としての成長がぎゅっと凝縮されていると言っていいでしょう。
 逆に、順風満帆のときには、これと逆のことが起こります。順風満帆のとき、わたしたちは「自分は何でもできる」と思い込んで弱点に気づくことができません。傲慢になって、自分のようにできない人を見下すようになります。自分がうまくいっているので、うまくいかない人たちの気持ちがわからなくなっていきます。順風満帆のときには、人間としての退歩してしまいかねない危険がたくさん潜んでいるのです。
 苦しみがひどけれはひどいほど、わたしたちは大きく成長していくことができます。苦しみのときこそ、弱点を克服し、謙遜になり、思いやりに満ちた人になるためのチャンス。神様が下さった、成長のためのチャンス。そう思って、あらゆる苦しみを乗り越えてゆきたいと思います。
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