祈りの小箱(206)『自分の本当の価値』


『自分の本当の価値』
 「何かができる。何かを持っている。だから自分は優れている。」わたしたちは、ときどきそんな考え方をしてしまうことがあります。世間ではむしろ一般的な考え方なのかもしれませんが、このような考え方こそ人間を不幸にする原因だとキリスト教では考えます。このような考え方をする人は、何かができなければ、何かを持っていなければ、自分のことを受け入れることができないからです。「何かができるから、自分には価値がある」と思い込んでいる人は、心の奥深くで「何かができなければ、自分には価値がない」と思い込んでいるのです。
 そう思い込んでいるあいだは、わたしたちは決して幸せになることができません。絶えず自分が何かができること証明し、持っているものを守り続けなければならないからです。自分が有能であることを誇る人は、その有能さを絶えず確認しなければ自分を受け入れることができないし、自分が金持ちであることを誇る人は、自分の財産を守ることによってしか自分を受け入れることができません。その人たちの心の奥底には、「無能と思われれば、財産を失えば、わたしは終わりだ」という思いがあります。そのような恐れに駆られて生きている人が、幸せであるはずがないのです。
 神様は、そんなわたしたちに、「何もできなくても、何も持っていなくても、あなたはあなたであるだけで価値がある。あなたは大切な『神の子』なのだ」と語りかけて下さいます。わたしたちの心に真の安らぎが訪れるのは、この愛のメッセージを受け入れられた時だけです。何もできなくても、何も持っていなくても、自分には価値があると信じられたとき。何もできない自分、何も持たない自分を受け入れることができたとき、わたしたちは初めて真の安らぎを味わうことができるのです。「何かができなければ、自分には価値がない」という思い込みを捨て、神の愛を信じられたとき、わたしたちは初めて、自分の本当の価値に気づくことができるのです。
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