「祈りから新年を始める集い」で行った祈りへの招きを文章化してみました。
《聖書朗読》
若者たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、
あなたがたが強く、
神の言葉があなたがたの内にいつもあり、
あなたがたが悪い者に打ち勝ったからである。
世も世にあるものも、愛してはいけません。
世を愛する人がいれば、御父への愛はその人の内にありません。
なぜなら、すべて世にあるもの、肉の欲、目の欲、生活のおごりは、
御父から出ないで、世から出るからです。
世も世にある欲も、過ぎ去って行きます。
しかし、神の御心を行う人は永遠に生き続けます。
(ヨハネの第一の手紙2章13〜17節)
《祈りへの招き》
使徒ヨハネは、若者たちに宛ててこのような手紙を書いています。今日は、この手紙をわたしたち自身に向けられたものとしてゆっくり読んでみましょう。
わたしたちの心の中には、いつも2つの言葉が響いているようです。1つは「神の言葉」、そしてもう1つは「世の言葉」です。「神の言葉」はわたしたちの心に、愛、共感、寛容、忍耐などを教え、「世の言葉」は競争心、自己中心主義、排他主義、優越感、劣等感などへとわたしたちを誘い込みます。「神の言葉」はわたしたちに「すべての人は大切な神様の子どもなのです」と語りかけ、「世の言葉」は「他人よりも優れた人間でなければお前に生きる価値はないぞ」と叫びます。
去年1年間、わたしたちはどちらの言葉に多く耳を傾けてきたでしょうか。「世の言葉」に振り回されて、「神の言葉」を軽んじることがなったでしょうか。「神の言葉」は永遠に生き続けますが、「世の言葉」は過ぎ去っていきます。神の愛はいつまでも消えることがありませんが、世間の評価は瞬く間に消え去っていくのです。どんなときでも「神の言葉」に耳を傾け、「神の言葉」を土台として生きていきたいものです。
1.今ここに留まる祈り
将来への心配や過去への後悔を忘れて、今ここで生きている自分に気付きましょう。祈りとは、今ここで神様がわたしたちに与えてくださっている恵みに気づくことだからです。今ここで生きている自分に気づくための手がかりとして、呼吸に集中してみましょう。吐く息と一緒に身体の中にある邪念を吐き出し、吸う息と一緒に大気中にあふれている神様の恵みを吸い込みましょう。(5分間)
2.振り返りの祈り
今ここでわたしを照らしてくださる神様の恵みの光によって、昨年の自分の言動を照らしてみましょう。この世への愛に引きずられてこの世の価値観に妥協したり、自分の欲望に引きずられて神様から遠ざかったりしたことはなかったでしょうか。自分の思い通りにならないことについて、神様や他者に不平不満をもらすことはなかったでしょうか。(15分間)
3.心の声を聞く祈り
わたしたちの心が本当に望んでいることはなんでしょうか。「世の言葉」に従って世間から認められることでしょうか、それとも「神の言葉」に従って神様の愛の中で安らぐことでしょうか。心の奥底から、神様はわたしたちに何を語りかけておられるのでしょうか。(30分間)
※写真の解説…山中湖にて。氷が浮かぶ湖面を静かに泳ぐ白鳥たち。