祈りの小箱(101)『たくさんの奇跡に守られて』


『たくさんの奇跡に守られて』
 先のことを考えるとき、わたしたちはいろいろと悪いことばかり想像してしまいがちです。実際には、悪いことと同じくらい、あるいはそれ以上のよいことが待っているかもしれないのですが、よいことについては想像することができないのです。よいことは、思いがけずやってくる場合が多いですから、これは仕方のないことかもしれません。
 先のことを考えて不安になったとき、わたしがお勧めしたいのは、目を未来から過去に向け変えることです。これまでの人生を振り返れば、神様がどれだけたくさんの恵みでわたしたちを守って下さっているかがはっきり分かるからです。まず、誰にとってもこの世に生まれてきたことは大きな恵みでしょう。お父さんとお母さんがしかるべき時にめぐり合い、恋に落ちなければ決してわたしたちは生まれてこなかったのです。何千万人という人の中からお父さんとお母さんがめぐり合い、恋に落ちたということはまるで奇跡のようなことです。ですから、わたしたちが生まれてきたことも奇跡なのです。
 わたし自身のことで言えば、司祭になれたことも奇跡と言っていいようなことです。キリスト教とはまったく縁のない埼玉の農家で生まれ育ったわたしがインドまで出かけ、マザー・テレサと巡りって神父になったということは、我ながら本当に不思議としか言いようがありません。ときどき冷静に振り返って「いったい、どうしてこんなことになってしまったのか」(いい意味でですが)と茫然とすることさえあります。マザー・テレサとの出会いを初め、ここまでに至る道で起こったすべての出会いが奇跡とさえ感じられます。きっと、皆さんの人生にもそのような出会いがたくさんあることでしょう。すべては、神様が準備して下さった恵みなのです。
 これまでの道のりを神様がそれほどの恵みで守り、導いて下さったとすれば、これからの道のりにも、わたしたちが想像できないほどたくさんの恵みが待っているに違いありません。何も心配する必要などないのです。先のことばかり考えるのはやめ、これまでに神様から頂いたすべての恵み、すべての奇跡を思い出しましょう。そして、感謝と喜び、信頼のうちに、未来に向かって力強い1歩を踏み出しましょう。
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