JESUS KIDS記事「がまんする愛」


この記事は、カトリック六甲教会の教会学校が毎月発行している冊子「JESUS KIDS」の2010年3月号に掲載されたものです。
がまんする愛
あるとき、マザー・テレサの家に一人の小さな子どもがおかあさんといっしょに訪ねてきました。その子の手には、小さなビンがにぎられていました。「なんだろう」とマザーが思っていると、その子はマザーにそのびんを手わたしながら言いました。
「これは、ぼくがこの一週間あまいものをがまんしてためたおさとう。おなかをすかせて死にそうな人たちがいるって聞いたんだ。みんなにあげてね。」
 この言葉を聞いて、マザーはとても感動したそうです。なぜなら、この子があまいものを食べたいという気持ちをまずしい人たちのためにがまんして、さとうを持ってきてくれたからです。この子はまだとても小さいのに、誰かのために自分をささげるということを知っていたのです。
 この四旬節に、神様がわたしたちにしてほしいと願っているのは、きっとこういうことでしょう。誰かのために自分の食べたいもの、やりたいこと、買いたいものをがまんして、そのぶんをその人に使ってもらうということです。目に見えるものをがまんするだけでなく、怒りたいという気持ちをがまんして友だちににっこり笑う、すぐに遊びに行きたいのをがまんしておかあさんの手つだいをするということでもいいでしょう。
 がまんして大切な誰かのために自分をささげる、それが誰かを愛するということです。イエスさまは、わたしたちのために十字架の上でいたみも、かなしさも、のどのかわきもすべてがまんしてくれました。ここに、イエスの愛があらわれています。みなさんも、この少年やイエスさまにならって、たくさん愛する子どもになってください。
※写真の解説…教会の近くで開花した白モクレン