カルカッタ報告(92)8月30日Fr.ポノダス②


 第三修練というのは、司祭叙階後に行われるイエズス会員としての最後の修行だ。この修練を終えると、わたしたちはようやく最終誓願を立てることができる。最終誓願を立てるまで、短くても入会から14、5年かかる。気が遠くなるほど長い養成期間だ。わたしも来年、フィリピンで第三修練をしたらどうかという話が出ている。
 せっかくなので、ポノダス神父さんからインドのイエズス会の事情をいろいろと聞いた。今、インドには20の管区があるという。さすがカトリック人口が1,700万人を越える国だ。日本は、カトリック人口が40万人で1管区を作っている。
 興味深かったのは、今インドでは南から徐々に召命が減少し始めているという話だ。IT産業を牽引車として経済的に発展するにつれて、南インドから召命が徐々に減少し始めたというのだ。昔は、ケララ州を中心として南インドからたくさんの召命が出ていたが、今は北インドからの召命の方が多いのだという。経済的に豊かになると召命が減るというのは、世界共通の現象らしい。フィリピンでも、近頃はルソン島から召命が出なくなり、貧しいピサヤの島々からの召命が中心になりつつあると聞いた。
 今回は滞在日数が短くてカルカッタイエズス会を訪問する時間がとれなかったので、最後にポノダス神父さんと会えて本当によかったと思う。メールのアドレスを交換し、日本に来たらぜひ連絡してくださいと言って彼と別れた。
※写真の解説…朝日を浴びたカルカッタの街。