『幸せはつながりの中に』
「幸せになりたい」、それは誰にとっても切実な願いでしょう。ですが、どうしたらわたしたちは幸せになれるのでしょう。幸せとはいったい何なのでしょう。
ある人は、幸せになろうとして自分を磨こうとします。勉強して資格を取ったり、体を鍛えたり、瞑想して心を清めようとしたりするのです。そうやって自分を磨き、理想の能力、理想の体、理想の心を手に入れれば幸せになれると思っているのでしょう。また、ある人は、幸せになろうとしてたくさんのお金や物を手に入れようとします。お金や物を手に入れて欲望を満たせば幸せになれる。大きな家に住み、きれいな服を着て立派な車に乗れば幸せになれる。きっと、そう思っているのでしょう。
ですが、本当にそうでしょうか。理想の自分になったり、欲望を満たしたり、贅沢な生活をしたりすれば、わたしたちは幸せになれるのでしょうか。そうではないような気がします。どんなに自分を磨き、理想の自分を実現したとしても、そんな自分を誰も相手にしてくれなかったらどうでしょうか。それは、十分ありうることです。努力して理想の自分になったことを誇り、周りの人を見下すような人を好きになる人は、あまり多くないはずだからです。お金を手に入れて欲望を満たし、贅沢な生活をしたとしても、一人ぼっちだったらどうでしょう。どんなにおいしい食事をしても、きれいな服を着ても、海外旅行に行っても、一人ぼっちだったらきっと楽しくないはずです。
むしろ本当の幸せは、理想の自分になることよりも、理想の自分になれない自分を受け入れてくれる人と出会うこと、たくさんの物を手に入れて自分を喜ばせることよりも、喜びを誰かと分かち合うことの中にあるのではないでしょうか。本当の幸せは、自分の中にも、物の中にもなく、人と人とのつながりの中にこそあるとわたしは思います。人と人とが出会い、互いをありのままに受け入れあい、喜びや苦しみを共にする絆を結ぶとき、その絆こそが幸せなのです。短く言えば、幸せは愛の中にこそあるのです。自分を磨くことよりも、お金や物を手に入れることよりも、大切なのはつながること。わたしたちの間に、わたしたちと神様とのあいだに、揺るがぬ愛の絆を結ぶことだと、しっかり心に刻みたいと思います。
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