フォト・エッセイ(73) 新春の神戸②


 北野天満宮の裏手に梅花園があるが、その一番奥の方に展望台が設けてある。ある本で「一番神戸らしい景色が見える場所」として紹介されていたのを読み、神戸に来たばかりのときに行った見たのだが、確かになかなかいい眺めだった。それ以来、北野に来るたびに寄ることにしている。今回も、天満宮の境内の人ごみを抜けて展望台まで上がった。
 梅の季節がまだ先のせいか、正月の梅花園には誰もいなかった。お陰で、わたし1人で展望台を独占することができた。風見鶏の家の向こうに神戸港まで続くビルや家々を眺めているうちに、さまざまな思いが湧き上がってきた。神戸に来て、もう9カ月が過ぎてしまったが、わたしは一体何をしてきたのだろうか。これから残りの1年あまりで一体何ができるのだろうか。神様は、わたしに何を望んでおられるのだろうか。しばらくのあいだ、そんなことを考えながら街を眺めていた。
 わたしに与えられた一番大きな使命は、この神戸の街で人々に「神の国」の福音を伝えていくことだろうと思う。そのために、わたしは何をしてきただろうか。何ができるのだろうか。わたしの存在は、はたして福音の目に見えるしるしになっているのだろうか。それとも、反対に躓きになっているのだろうか。
 答えは簡単に出ないと思うが、いずれにしてもわたしの生活と言動をもっともっと福音に近づけていく必要があることだけは確かだと思う。すべてのことを神様に問いかけながら、ただ神様の御旨だけに従ってこの一年を過ごしていきたい。存在そのものが、人々に「あなたは大切な神様の子どもです」と温かく語りかけるような司祭になっていきたい。







※写真の解説…生田神社の初詣の風景。三宮駅のすぐ近くにある生田神社には、毎年100万人以上の人が初詣に訪れるという。