六甲教会教会学校が毎月発行している機関紙"JESUS KIDS"に書いた記事です。

「灰の水曜日」から始まる復活祭前の40日あまりを、四旬節と呼びます。わたしたちキリスト教徒は、この時期、特に断食をしたり生活を質素にしたりしてイエスの十字架上での苦しみと一致するように努めます。神への愛のため、人々への愛のために自分の大切なものを差し出し、イエスと共に自分を犠牲として捧げるのです。
イエスの十字架を思い出すとき、生活をイエスに向けて整えていくことも大切なことです。イエスはわたしたち人間を心の底から愛し、その愛を証するために十字架上で死んでくださいました。その惜しみない愛に応えるために、自分の罪を反省し、「神の子ども」にふさわしい生活に立ち返るのです。そのことを「回心」と呼びます。四旬節のあいだ、教会ではこの回心を助けるために「共同回心式」などを行います。みんなと一緒に神様の前で自分の悪いところを反省し、「ゆるしの秘跡」を受けるのです。
復活祭直前の3日間は、聖木曜日、聖金曜日、聖土曜日と呼ばれる特に大切な期間です。聖金曜日の晩、わたしたちは教会に集まりますがミサをしません。イエスの十字架上での死を思い、イエスが取り去られた悲しみと苦しみを味わうためです。典礼の中では、ヨハネ福音書の受難物語が読まれます。
聖土曜日の晩、わたしたちはいよいよ待ちに待った復活祭を祝います。イエスが死者の中から復活し、天国の栄光に挙げられたことを祝うのです。この晩のミサのことを「復活徹夜祭」と呼びます。今は徹夜をすることはありませんが、昔はみな喜びのあまり徹夜をしてこの日を祝ったので、このような名前が今でも残っています。
苦しい思いをするのはいやだなと思う人もいるかもしれません。神様は愛なんだから、楽しいことやうれしいことだけくれればいいんだと思う人もいるかもしれません。ですが、キリスト教の愛というのは、そういうものではありません。
キリスト教の愛は、神様への愛のために自分自身を犠牲として捧げたとき、初めて完成される愛なのです。そのことは、イエス自身が十字架上で自分の命を犠牲として捧げたあと、復活して神様の愛に完全に満たされたことからはっきりわかります。マザー・テレサが「痛みを感じるまで愛しなさい」と言っていますが、そこまでしたときにわたしたちは神様の愛と本当に出会うことができるのです。
この四旬節のあいだイエスと一緒に苦しみを神様に捧げていきましょう。そうすれば、きっと神様の愛に完全に満たされる喜び、復活の喜びもイエスと共に味わうことができるでしょう。
※写真の解説…教会の近くで見つけた黄色い花。