マザー・テレサの言葉を読む(7)偉大な使命


「気難しい顔をしたり、
 人を傷つけたりするのは簡単なことです。
 ですが、神さまはわたしたちを
 もっと偉大なことのために創られました。
 神さまはわたしたちを、
 愛し合うために創られたのです。」

 不愉快なことがあったからといって気難しい顔をしたり、腹立ち紛れに誰かに耳障りな言葉を吐きかけたりするのはとても簡単なことです。なぜなら、相手の気持ちを無視して自分のことだけ考え、いらだちや怒りという感情が赴くままに行動すればできることだからです。それは、動物にさえできることでしょう。
 しかし、人間は神からより崇高な使命、互いを愛し合うという使命を与えられました。神はわたしたち人間に想像力を与え、相手の気持ちに共感できるようにしてくださいましたが、それはわたしたちが互いを愛し合うためだったのです。
 そもそも神がこの世界を創ったのは、天国を満たした愛の交わりの輪を地上にも広げたいと思ったからだと言われています。神は、愛の輪を広げるために天地万物を創造し、その頂点に相手を思いやる力を持った人間を置かれました。わたしたち人間だけが、互いに愛し合うことで、この地上に神の愛の交わりの輪を広げていくことができます。
 互いに愛し合うとき、わたしたちは神の愛の輪の中に入り込み、神と一致します。わたしたちが互いに愛し合うとき、わたしたちの人生は天国の一部になるのです。そのようにして地上に天国を実現することこそ、わたしたち人間が創造された目的であり、わたしたちに与えられた尊い使命なのです。その使命を自覚し、自分で自分を貶めることなく、どんなときにも気高く生きてゆきたいものです。