祈りの小箱(57)『神様のプロジェクト』


『神様のプロジェクト』
 神様はあらかじめすべてのことを計画していて、わたしたち人間はその計画を変えることができない。救われる人は必ず救われる、救われない人はどうやっても救われない。災害や事故、飢餓、戦争なども、すべて神の計画であって人間には防ぐことができない。そのように考えると、将来に何の希望もなくなってしまいます。ですが、本当にそうなのでしょうか。神が全知全能であるとは、そういう意味なのでしょうか。
 そうではないと思います。先日、ある司祭がそのことをとてもうまく表現していました。「神様は、あらかじめ決められた計画を持っていない。神様が持っているのは、わたしたち人間と一緒に進めていくプロジェクトだけだ」というのです。神様は、あらかじめこの人を救い、あの人は救わないというような計画を持っていない。神様が持っているのは、イエス・キリストによって始められた、全人類の救いという一つの壮大なプロジェクトだけだというのです。
 わたしたちキリスト教徒は、この壮大な救いのプロジェクトのために集められたチームだと言っていいでしょう。このプロジェクトがうまくいくかどうか。どれだけたくさんの人を救いへと招くことができるかは、チームのメンバーであるわたしたち一人ひとりの働きにかかっているのです。このプロジェクトにあらかじめ決まった形はありません。わたしたちが指導者であるイエスの声に耳を傾け、互いに協力しながら、それぞれの部署で全力を尽くすことでプロジェクトに形が与えられてゆくのです。そう考えると、一日たりとも、この人生を一瞬たりとも無駄にすることはできないという気持ちになります。一つのチームのメンバーとして、一人の指導者の声に耳を傾け、お互いを支え合いながら、プロジェクトの実現のために全力を尽くしましょう。
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