祈りの小箱(33)『神の子どもたち』


『神の子どもたち』
 「自分が愛に飢えているのなら、周りの人たちも同じように愛に飢えている。」これは当然のことですが、わたしたちはついついこの当然のことを忘れてしまいがちです。自分が人から話を聞いてほしいなら、周りの人たちも同じように話を聞いてほしいと思っている。そのことを忘れて、自分一人だけが話しすぎてしまう。自分が忙しいなら、周りの人も同じように忙しい。そのことを忘れて、自分だけが労りを要求する。家庭や職場、学校などあらゆる場所で、そんなことが起こりがちなのです。
 特に、親子のあいだでは、この当然のことが忘れられることが多いようです。子どもは親の力を過信して、ついつい親に一方的で無条件の愛情を求めてしまいがちなのです。子どもが親に愛情を求める。それは当然のことかもしれません。ですが、親もたくさんの弱さを抱えた一人の人間であり、与えられる愛情には限界があります。親だって当然、愛されたいと思っているし、誰かから愛されるからこそ愛することができる存在なのです。子どもが親から受け入れられ、誇りに思ってほしいならば、親だって子どもから受け入れられ、誇りに思ってほしいのです。
 神の前では、親も子もなく、誰もが愛されるべき神の子どもです。そのことに気づき、無力なありのままの親を受け入れられるようになるときこそ、子どもが大人になるときだと言っていいでしょう。
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