2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

教会報記事「祈りで結ばれた共同体」

カトリック六甲教会の教会報3月号に掲載された記事です。 父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わ…

やぎぃの日記(31) ある視覚障害者の死

昨日の通夜に続いて、今日は同じ方の葬儀ミサ、告別式、火葬の祈りを司式した。帰天されたのは、子どもの頃に事故あって失明した方だった。 説教を準備するために、彼の生涯がどんなものであったのか思いめぐらしながら祈っていたとき、一つの疑問に突き当た…

やぎぃの日記(30) 映画『おくりびと』

『おくりびと』が、アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したと聞いた。以前にこのブログでも書いたが、わたしもあの映画を見て感動した観客の1人だ。 先日、葬儀屋さんと一緒に車に乗っているときに「あの映画がアカデミー賞にノミネートされたそうですね」と…

バイブル・エッセイ(49) 灰の水曜日

このエッセイは、2月25日「灰の水曜日」のミサの中で行った説教に基づいてます。 「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる。だから、あなたは施しをするときに…

マザー・テレサが愛した祈り(1) 「キリストの輝き」

この祈りは、英国国教会からカトリックに移ったヘンリー・ニューマン枢機卿が作ったと言われている祈りです。マザー・テレサは、この祈りを毎日ミサの後シスターたちと一緒に唱えていました。マザーの手紙などにもたびたび引用されており、アッシジのフラン…

入門講座(31) マザー・テレサの霊性① 年譜で見るマザーの生涯

《今日の福音》マルコ8:14-21 神に背いて自分の利益ばかりを考える人間の思いを、イエスは「ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種」と呼んで弟子たちに注意を促しました。ですが、パンを持ってくるのを忘れた弟子たちは、イエスがパンを持ってこなか…

バイブル・エッセイ(48) イエスのもとへ

このエッセイは、2月22日に行われた子どもミサでの説教に基づいています。 数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。イエスが御言葉を語っておられ…

やぎぃの日記(29) 葬儀ミサ

ここのところ何人か続けて信者さんが帰天され、死者を送るための儀式が続いた。わたしも御2人の方の通夜と葬儀ミサを担当した。 叙階されてから、もう何回か通夜や葬儀ミサを担当したことがある。だが、何回やってもこればかりは慣れるということがない。帰…

フォト・エッセイ(88) 岡本から有馬へ②

岡本梅林から、黒谷と呼ばれる谷沿いの薄暗い道に入って行った。谷の入口辺りに一対の大きな地蔵が立てられており、まるで異界への入口のようだった。平日で他に人もいないし、あたりは静まり返っている。少し気味が悪かったが、どんどん先に進んでいった。…

フォト・エッセイ(87) 岡本から有馬へ①

岡本梅林の梅がそろそろ満開だと聞いたので、梅を見てから山登りをしようと思って地図を見ていると、岡本から有馬に抜けるちょうどいい道があった。打越峠、住吉道を経て六甲山最高峰に至り、そこから有馬へと下っていく道だ。今回は、その道を歩いてみるこ…

やぎぃの日記(28) 「ともに祈る会」

このあいだの日曜日の午後、教会で「ともに祈る会」をした。1月1日に青年たちを対象として「新年を祈りで始める会」をしたとき、このような集まりを月に1度くらいしてほしいというリクエストがあったので、今年は「ともに考える会」と並行して月に1度のペー…

マザー・テレサの言葉(25) 沈黙

神は沈黙の友です。 わたしたちは神を見つけなければなりませんが、 騒音や興奮の中に神を見いだすことはできません。 自然が、木が、花が、草が、 深い沈黙の中でどうやって成長していくかを見なさい。 星が、月が、太陽が、沈黙の中でどう動いていくかを見…

入門講座(30) 地球環境問題とキリスト教

《今日の福音》マルコ7:1-13 当時のユダヤ教社会でどのような習慣が行われていたかが、イエスの言葉から分かる興味深い箇所です。どうやらファリサイ人や律法学者たちは、聖書の教えからかけ離れた教えまで先祖伝来の教えとして大切にしていたようです。 も…

バイブル・エッセイ(47) 本当の救い

このエッセイは、2月15日に海星病院の聖堂で行われたミサでの説教に基づいています。説教のあと、「病者の塗油」が行われました。 そのとき、重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおで…

やぎぃの日記(27) 追悼ミサ

二條あかねさんの追悼ミサが終わった。 今回のミサには本当にたくさんの人が協力してくださった。まず、六甲教会の社会活動部の方々が花の手配や祭壇の飾り付けの準備をしてくれた。二條さんの写真を半切サイズにまで引き伸ばして額に入れてくれたのも彼女た…

バイブル・エッセイ(46)  一つになるために

このエッセイは、2月14日に六甲教会で行われた援助修道会修道女、二條あかねさん追悼ミサでの説教に基づいています。参加してくださった皆さん、心を合わせて祈ってくださった皆さん、準備に協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました。 「父…

フォト・エッセイ(86) 竜安寺の庭

北野天満宮の茶店でみたらし団子を食べた後、歩いて竜安寺に向かった。駅の案内所で、改修工事が終わって公開されたと聞いたからだ。だが行ってみると実際にはまだ工事が続いており、庭の隅の方には工事用のシートが掛けられていた。少し残念だったが、不完…

フォト・エッセイ(85) 北野天満宮の梅

《お知らせ》2月14日(土)午後5時より、カトリック六甲教会主聖堂にて先日チャドで帰天された援助会修道女、二條あかねさんの追悼ミサを行います。共に彼女のために祈りたい方は、どなたでも自由にご参加ください。 北野天満宮の梅を見てきた。朝、JRの駅に着…

やぎぃの日記(26) 一日黙想会

教会で一日黙想会をした。神学生時代に手伝いをさせてもらったことは何回かあるが、自分ひとりでお膳立てして一日黙想会をするの初めてのことだったので少し緊張した。 今回の対象者は、わたしが昨年4月から担当している2つの入門講座の参加者、霊的同伴をさ…

マザー・テレサの言葉(24) 神の手のひら

「もし母親が自分の子どもを忘れたとしても、 わたしはあなたを忘れない。 わたしはあなたの名前をわたしの手のひらに刻んだ。」 わたしたちの名前は神の手のひらに刻まれているのです。 その胎児の名前も、受胎のときから神の手のひらに刻まれているのです…

入門講座(29) 性の倫理

《今日の福音》マルコ5:21-43 今日の朗読箇所は、ヤイロの娘の蘇りの奇跡の物語の間に、長血を患った女性の治癒の物語が挟まれる形になっています。 まず長血の女性の治癒です。長血というのは、婦人病の一種で、子宮からの出血がなんらかの理由で止まらなく…

バイブル・エッセイ(45) 喜びの福音

このエッセイは、2月8日の子どもミサでの説教に基づいています。 わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。自分からそうしているなら、報…

フォト・エッセイ(84) 長瀞の蝋梅

この季節になると、長瀞の蝋梅園を思い出す。東京にいた頃は、この時期になると毎年行っていた。まだ他の花が咲いていない時期だからということもあるが、真っ青な空と秩父の山並みを背景にして咲きほころぶ蝋梅の黄色い花は、それ自体としてとても美しく、…

フォト・エッセイ(83) 逢山峡

《お知らせ》援助修道会のホームページ(http://auxijapon.com/akanetestimony.html)に、二條あかねさんについてのお知らせが掲載されました。日本時間で本日の夜10時半から葬儀が執り行われるそうです。心を合わせて祈りましょう。 昨日は、アイスロードと呼…

バイブル・エッセイ(44) 二條あかねさん追悼

このエッセイは、2月4日に援助修道会六甲修道院で行った二條あかねさん追悼ミサでの説教に基づいています。 世から選び出してわたしに与えてくださった人々に、わたしは御名を現しました。彼らはあなたのものでしたが、あなたはわたしに与えてくださいました…

《二條あかねさん帰天》

昨年7月に六甲教会でチャドでの福音宣教についてお話ししてくださった援助会修道女の二條あかねさん(36)が、昨日、交通事故で帰天されたとの知らせがありました。詳細はまだ分かっていませんが、即死に近い状況だったそうです。どうぞ皆様、彼女のためにお祈…

マザー・テレサの言葉(23) 笑顔

イエスの喜びを、力として保ち続けなさい。 幸せで、落ち着いていなさい。 イエスが与えるものは何でも受け取り、 イエスが取り去るものはなんでも笑顔で差し出しなさい。 あなたはイエスのものなのです。 「わたしはあなたものです。 もしあなたがわたしを…

入門講座(28) 自殺とキリスト教

《今日の福音》マルコ3:31-35 イエスの母と「兄弟」たちが、イエスのもとにやってきます。イエスが律法学者たちを怒らせていると聞いて、心配して駆け付けたのかもしれません。 ここでまずイエスの「兄弟」という言葉が問題になります。マリアが終生乙女だっ…

やぎぃの日記(25) 修練者たち

イエズス会の修練者たちが、六甲教会のミサに来てくれた。今、修練者たちは釜ヶ崎の施設で3週間の実習をしているが、その途中で六甲教会に立ち寄ってくれたのだ。イエズス会に入会すると、最初の2年間は修練者として厳しい訓練を受けることになる。わたしも…

バイブル・エッセイ(43) イエスの権威

一行はカファルナウムに着いた。イエスは、安息日に会堂に入って教え始められた。人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。そのとき、この会堂に汚れた霊に取りつかれた男がいて叫んだ。 「ナザ…